【11月22日 AFP】イタリアの古代ローマ都市ポンペイ(Pompeii)のはずれにある邸宅跡で、約2000年前のベズビオ火山(Mount Vesuvius)噴火による犠牲者2人の遺体が発掘された。ポンペイ遺跡の関係者らが21日、発表した。

 調査団は衣服や外見の痕跡から、2人は若い奴隷と、40歳前後の奴隷の雇い主の男性だとみている。

 ポンペイは西暦79年、噴火したベズビオ火山の火山灰に埋もれて消滅した。現在はイタリアでローマのコロッセオ(Colosseum)に次いで2番目に観光客が多い名所となっており、昨年は400万人近くが訪れた。

 2人の遺体は、ポンペイ北西約700メートルにあるチビタジュリアーナ(Civita Giuliana)で現在進行中の発掘調査で発見された。遺体はナポリ湾(Bay of Naples)を見下ろす邸宅の地下にあった「抜け道」横の部屋で見つかったことから、2人がここに避難していた可能性が指摘されている。

 遺体の骨が分析されると、石こうを流し込んで2人の死亡当時の姿を再現する像が作成された。この手法は1867年に考古学者のジュセッペ・フィオレッリ(Giuseppe Fiorelli)氏が考案したもの。

 ポンペイでの発掘作業は継続されているが、新型コロナウイルス対策により遺跡の観光は中断されている。(c)AFP