【11月16日 AFP】アゼルバイジャンは15日、アルメニアとの係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)での停戦合意で今月15日とされていたキャルバジャル(Kalbajar)地域からのアルメニア人の退去期限を、今月25日に延期することに同意したと発表した。

 アゼルバイジャン側に位置し、旧ソ連解体後の1990年代に起きた戦争でアルメニア人の分離独立派の支配下に置かれてきたキャルバジャル地域では、当初の退去期限の15日を前に住民らが集団脱出を始めていた。

 しかしアゼルバイジャンのヒクマト・ハジエフ(Hikmet Hajiyev)大統領補佐官は、同国が人道的観点から期限を遅らせたと発表。アルメニア側からの要請とロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領の仲介を受け、「アルメニア軍とアルメニア人違法入植者ら」の撤退・退去期限を11月25日に延期したと述べた。

 キャルバジャル地域のチャレクタル(Charektar)村では、当初の退去期限の15日を前に、この地域に入るアゼルバイジャン人らが居住できないよう、住宅の所有者らが民家数十軒に火を付けていた。

 同村は15日、野良犬が歩き回り、ゴーストタウンのようになっていた。村内には、焼け焦げて倒壊した民家や破壊された家具のみが残され、あちこちにごみが散乱していた。(c)AFP/Hervé BAR