【11月13日 AFP】リビア沖の地中海で12日、移民を乗せた船2隻が相次いで転覆し、1日だけで100人近い命が奪われたと、国連(UN)の国際移住機関(IOM)と国際医療援助団体「国境なき医師団(MSF)」が同日明らかにした。

 IOMは、首都トリポリの東方120キロに位置する港湾都市フムス(Khoms)沖で「壊滅的な船の転覆事故が起き、少なくとも74人が死亡した」と発表。生存者47人が救出され、31人の遺体が収容されたとした上で、船には120人以上が乗っていたとみられると明かした。

 その後、北西部の沿岸都市ソルマン(Sorman)に入っているMSF関係者らが、「女性3人を救助。別の船転覆事故で唯一生き残った3人で、20人が水死した」とツイッター(Twitter)に投稿した。

「愛する人々が波間に消え、亡くなる様子を目の当たりにした女性らは衝撃を受け、恐怖におののいていた」と記した。

 IOMによると、欧州入りを目指して地中海で命を落とした人が、今年に入ってこれまでに900人を超えた。

 さらに同機関は、移民1万1000人以上がリビアに送還され、「人権侵害に当たる行為に直面する危険にさらされている」と警鐘を鳴らしている。(c)AFP