【11月2日 AFP】ブエルタ・ア・エスパーニャ(Vuelta a Espana 2020)は1日、第12ステージ(ポラデラビアナからアルトデラングリル、109.4キロメートル)が行われ、EFプロサイクリング(EF Pro Cycling)のヒュー・カーシー(Hugh Carthy、英国)がステージ優勝を果たした。一方、総合順位ではイネオス・グレナディアーズ(Ineos Grenadiers)のリチャル・カラパス(Richard Carapaz、エクアドル)が首位に再浮上した。

 過酷なアングリル(Angliru)での山頂フィニッシュで素晴らしい走りを見せたカーシーは、アスタナ(Astana Pro Team)のアレクサンドル・ブラソフ(Aleksandr Vlasov、ロシア)を2位に、モビスター・チーム(Movistar Team)のエンリク・マス(Enric Mas、スペイン)を3位に抑えた。

 4位フィニッシュとなったカラパスは全力を出し切り、5位に入ったチーム・ユンボ・ビスマ(Team Jumbo Visma)のプリモシュ・ログリッチ(Primoz Roglic、スロベニア)に10秒差をつけ、同選手から総合首位の座を奪取した。

 個人タイムトライアルをこの後に控える中、カーシーは総合3位に浮上し、イスラエル・スタートアップネーション(Israel Start-Up Nation)のダニエル・マーティン(Daniel Martin、アイルランド)はダメージを最小限に抑える力強い走りを見せたが、同4位に順位を下げた。

 総合首位のカラパスからマーティンまではわずか35秒差以内に収まっている。

 三大ツール(グランツール)での初勝利となったカーシーにとって、現在の自転車ロードレースの中で最も厳しい坂道の一つとされるアングリルの過酷な上りでの優勝はとりわけ特別なものになるだろう。

 カーシーは「どんなプロのレースでも勝利するのは夢のようだが、グランツールにおける神話の域の上りで優勝できるなんてこれ以上のものはない。言葉にできない」とコメントした。

 選手は2日、アコルーニャ(A Coruna)で休養することになっており、レースは今大会で唯一のタイムトライアルが行われる3日に再開される予定。

 この日、最後の坂道で失速したログリッチだが、3級山岳を含む33.7キロのタイムトライアルでは赤ジャージー(マイヨ・ロホ)を取り戻すとみられる。(c)AFP