【10月30日 AFP】絶滅の危機にさらされているコモドオオトカゲの生息地を、映画『ジュラシック・パーク(Jurrasic Park)』風の観光地として開発しようというインドネシア政府の計画に対し、環境保護活動家らから非難の声が上がっている。

 開発計画への批判は今週、コモドオオトカゲが建設資材を運ぶトラックの通り道に立ちはだかっている写真が、オンライン上で拡散したことがきっかけとなった。

 コモドオオトカゲは、成長すると体長約3メートル、体重最大約90キロにまでなる世界最大のトカゲで、インドネシア・バリ(Bali)島の東に位置する島々に約3000匹が生息している。

 当局は9月、これらの島の一つに「ジュラシック・パーク」という名の観光施設を開発する計画を発表。発表前には、建築家らが映画の音楽に合わせて開発計画のプロモーションビデオを公開した。

 だが、環境保護活動家らは、既に絶滅の危機にあるコモドオオトカゲが、さらに脅かされる恐れがあると警告している。

「ジュラシック・パークを造るという計画は、恥ずかしいというのが正直な気持ちだ」と、地元の社会正義と平和のためのNGO「サンスピリット(Sunspirit)」の活動家グレゴリアス・アフィオマ(Gregorius Afioma)さんは言う。

「人々は、自然環境にいるコモドオオトカゲを見るためにここに来る。(中略)訪問者がコモドオオトカゲを見るために室内を歩き回るというコンセプトを売り出しているが、私からみれば動物園と変わりない」

 政府は、拡散している写真のトラックは、議論を呼んでいる今回の開発とは関係なく、計画自体も新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により、2021年中頃まで保留となっていると説明している。

 環境省は今週、「正しく管理し、野生動物との接触を最小限に抑えれば、現在の観光開発計画がコモドオオトカゲを危険にさらすことはない」と発表した。(c)AFP