【10月30日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は、ドライバーズ選手権で10度のタイトル獲得を果たせるかもしれないが、対等のライバルがいないことから史上最高のドライバーとしての立場が損なわれる可能性もあると、2人の元有名ドライバーが語った。

 元F1ドライバーのマーティン・ブランドル(Martin Brundle)氏は、デイモン・ヒル(Damon Hill)氏と共に、通算6度の選手権制覇を誇る王者ハミルトンが絶対的な強さで歴代記録を更新するにふさわしいドライバーだと納得しており、同選手の活躍を目撃できることは名誉なことと話している。

 25日に行われた今季第12戦ポルトガルGP(Portuguese Grand Prix 2020)決勝で、ハミルトンはF1史上最多92勝目を挙げ、年間王者に7度君臨したミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏が14年間保持してきた91勝を一つ上回った。

 1996年にシューマッハ氏を倒して世界タイトルを獲得したヒル氏は、ハミルトンが周囲の疑問の声を黙らせるには、対等の実力を持つドライバーの挑戦を受けて退ける必要があるとの考えを示し、「ルイスの偉業は、激しい戦いを制した上でのものではないと評価されるリスクがある」「メルセデスはこの世代を完全に支配しており、ルイスは苦労していない」と述べた。

 一方、ブランドル氏はハミルトンが通算10度目のタイトル獲得を果たしても驚かないとした上で、「ミハエル・シューマッハの通算91勝に近づくとは思ってもいなかったし、それを超えるとは思ってもいなかった」「それ(10度総合優勝)には、まだ長い道のりがある」と英スカイ・スポーツ(Sky Sports)に語った。

 今週末の第13戦エミリアロマーニャGP(Emilia-Romagna Grand Prix 2020)で、ハミルトンはキャリア通算93勝目を記録し、メルセデスがコンストラクターズ選手権で前人未踏の7連覇を達成することを目指している。(c)AFP