【10月30日 AFP】リビア西部タルフナ(Tarhuna)でこのたび、集団墓地が新たに見つかり、12人の遺体が掘り起こされた。

 タルフナは、同国東部で支配を強めるハリファ・ハフタル(Khalifa Haftar)司令官の軍事組織が西部に持っていた最後の拠点だったが、昨年対立勢力に奪還された。これにより、同司令官側が首都トリポリに仕掛けた攻勢は失敗に終わっていた。

 国連(UN)の承認を受けた国民統一政府(GNA)からの委任を受け、行方不明者の捜索に当たっている委員会は28日、「タルフナでは集団墓地2か所と個別の墓地2か所、計4か所が新たに発見され、身元不明の複数の遺体が掘り起こされた」とフェイスブック(Facebook)で明らかにした。

 委員の一人はAFPに対し、ハフタル氏の組織が6月に西部から撤退し、集団墓地の捜索が開始されて以降、合わせて98人の遺体が発見されたと明かした。

 ある関係者によると、発掘が待たれる集団墓地が、少なくともあと16か所は存在するという。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch)は6月、超法規的処刑や遺体への冒涜(ぼうとく)行為とみられる画像がソーシャルメディア上に投稿されたのを受け、ハフタル氏に対し自身の軍事組織による戦争犯罪容疑を調査するよう要求していた。

 リビアでは2011年、独裁者のムアマル・カダフィ(Moamer Kadhafi)大佐が殺害され政権が崩壊して以来、10年近くにわたり情勢不安が継続。その後はGNAとハフタル司令官の勢力の間で内戦が続いてきたが、敵対する両勢力は23日、国連での協議の末、「恒久的な停戦合意」に署名した。(c)AFP