【11月26日 AFP】eスポーツの急成長により、賞金の額は大きくなったが、活況の陰で業界は不正行為と闘い、信頼性を維持することが急務となっている。

 9月には、人気の高いチーム対戦型戦闘ゲーム「カウンターストライク(Counter-Strike)」のトーナメント大会をめぐる不祥事が発覚した。20年前にリリースされたこのゲームでは、各チームが誘拐や爆破などのミッションでテロリスト集団や対テロ部隊の役割を演じる。

 戦略、スピード、3次元への没入がカギとなるゲームであり、息をのむような2分間を共に戦うプレーヤー同士のチームワークが不可欠だ。

 この大会では37チームのコーチが、ライバルチームの戦略を探る目的でゲームのバグを悪用したことが明らかになった。不祥事が明るみに出たのを受け、コーチらは不正調査をする「eスポーツ・インテグリティ委員会(ESIC)」 から制裁を受けた。

 プロ、セミプロ、アマチュアのコーチらがいたが、数か月から数年の期間にわたる出場禁止処分が下された。

 この出場停止により、ゲーム業界に激震が走った。

■大金が絡む

 今回の件は2016年までさかのぼる競技大会に関係するとされているが、eスポーツを揺るがす事態はこれが最初でも最後でもない。

 楽に勝利できる誘惑に屈したとして、競技大会からの除外、一時停止、永久追放などの処分を受けるプレーヤーがますます増えている。

 世界最大のeスポーツイベント運営団体の一つ、ESLのフランス支部長を務めるデジレ・クサウォ(Desire Koussawo)氏は、AFPの取材に「eスポーツで不正が行われる理由は、大金が絡んでいるからだ」と語った。

 2019年に開催されたシューティングゲーム「フォートナイト(Fortnite)」の世界大会フォートナイト・ワールドカップ(Fortnite World Cup)までに、1200人に上るプレーヤーが不正行為でアカウントを停止された。