【10月22日 AFP】英国の覆面ストリートアーティスト、バンクシー(Banksy)がフランスの巨匠のクロード・モネ(Claude Monet)の代表作を題材に描いた油絵「ショー・ミー・ザ・モネ(Show me the Monet)」が21日、ロンドンで競売にかけられ、755万1600ポンド(約10億3500万円)で落札された。競売にかけられたバンクシー作品としては2番目に高額となる。

 今回の競売を手掛けた競売大手サザビーズ(Sotheby's)は、「購入意思の固い5人のコレクターが9分近くにわたって入札合戦を繰り広げたため、落札価格は予想の300万~500万ポンド(約4億1000万~6億8000万円)をはるかに上回り、競売にかけられたバンクシー作品としては2番目の価格にまでつり上がった」と発表した。

 2005年に制作された「ショー・ミー・ザ・モネ」は、「クルード・オイルス(The Crude Oils)」と呼ばれる連作の一枚で、仏ジベルニー(Giverny)にある庭園の日本風の橋を描いたモネの代表作がモチーフ。牧歌的なスイレンの池は、水面からショッピングカートや蛍光オレンジのパイロンが突き出す現代の不法投棄現場に置き換えられている。

 1年前には、議員の代わりにチンパンジーが着席している英議会を描いた2009年作の絵画が、バンクシー作品で過去最高額となる約990万ポンド(約13億5700万円)で落札された。

「退化した議会(Devolved Parliament)」と題されたこの作品をめぐっては、13分間にわたって10人による入札合戦が繰り広げられた。(c)AFP