【10月21日 AFP】仏パリ郊外で中学校の歴史教師が首を切断され殺害された衝撃的な事件を受け、エマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)仏大統領は20日、国内のイスラム過激派の取り締まりを強化すると宣言した。

 事件を受けて警察は数十件の家宅捜索を行い、政府はモスク1か所に6か月間の閉鎖を命じた他、パレスチナのイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)を支援する組織を解散させる方針。パリ郊外を訪問したマクロン氏は、「わが国の市民が期待しているのは行動だ」 「こうした行動を強化していく」と述べた。

 またマクロン氏は、歴史教師のサミュエル・パティ(Samuel Paty)さんの殺害に「直接関与した」として、親ハマス組織「シェイク・ヤシン・コレクティブ(Cheikh Yassine Collective)」を解散させることを21日の閣議で正式に決定すると述べた。

 同組織の創設者、イスラム原理主義者のアブデルアキム・セフリウィ(Abdelhakim Sefrioui)容疑者は、殺害されたパティさんを侮辱する動画をユーチューブ(YouTube)で公開したとして警察に拘束されている。

 マクロン氏は20日、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と電話で会談し、テロとの闘いにおける協力関係の強化を要請した。

 パティさんを殺害したアブドゥラフ・アンゾロフ(Abdullakh Anzorov)容疑者はロシア・チェチェン(Chechnya)共和国の出身だったが、ロシア政府は同容疑者は10年以上前に出国し、ロシア当局者と接触したこともないとして、自国との関連を過小化しようとしている。(c)AFP/Alexandre HIELARD and Jurgen Hecker