【10月18日 CNS】中国で1日の国慶節(建国記念日)から8日までの大型連休中、チベット自治区(Tibet Autonomous Region)への観光もピークを迎えた。チベット独自の民族文化の体験や壮大な自然の観賞が人気で、観光客たちを魅了している。

 多くの観光客が立ち寄る人気スポットが「チベット文化体験ホール」だ。テーブルやいす、飾り物などがチベット様式に統一された室内で、大麦を粉状にしたチベット族の主食「ツァンパ」の調理・試食やバター茶の試飲、民族画の体験などができる。民族衣装をまとった写真撮影もあり、伝統文化をさまざまな形で体感できる。

 その中でもダントツで人気なのが、チベット香作りだ。数十種類の香料を粉末にし、水でこねて泥状になったものを道具で細長く伸ばすか円すい形にこね、日陰で乾かしてお香を作る。体験時間は約90分で、完成したお香は記念品として持ち帰れる。

 ベテランツアーガイドの楊永勝(Yang Yongsheng)さんは「観光客に文化体験をしてもらうことは、チベットの歴史、文化の継承にもつながります」と意義を話す。

 あるチベット文化体験ホールの責任者ドンジュさんは「観光客に言葉でチベット文化の説明をしても、ほとんど耳を傾けてくれません。そこで、この体験ホールが誕生しました。自分の体や手で民族文化を体験してもらえれば、印象は強く残るでしょう」と説明する。

 チベット文化体験ホールは、伝統文化を多角的に体験できると同時に、心身をリラックスさせることで高山病の負担を和らげることにもつながっている。(c)CNS/JCM/AFPBB News