【10月11日 AFP】新型コロナウイルスの感染拡大に伴う代表ラグビー中断からの再開初戦であるニュージーランドとオーストラリアの対抗戦「ブレディスローカップ(Bledisloe Cup)」が11日、ニュージーランドの首都ウェリントンで行われ、両チームによる熱戦は16-16の引き分けに終わった。

 7か月ぶりのラグビーテストマッチは、ニュージーランドがおおむねウイルスの封じ込めに成功していることから、マスクをしていない3万1000人の観客の前で開催され、白熱した一戦は両チームが2トライと2本のペナルティーゴールを分け合う結果に終わった。それでも引き分けをよしとしない両チームは、最後のホーンが鳴り響いてから10分近くも戦い続けた。

 オールブラックス(All Blacks、ニュージーランドの愛称)とワラビーズ(Wallabies、オーストラリアの愛称)にとって、この一戦は2019年のW杯日本大会(Rugby World Cup 2019)以来、ほぼ1年ぶりの実戦で、ニュージーランド国内ではちょうど400日ぶりのテストマッチだった。

 また、新型ウイルスの影響だけでなく、試合前にはスーパーラグビー(Super Rugby)と南半球の4か国対抗戦ザ・ラグビーチャンピオンシップ(The Rugby Championship)をめぐる両国の意見の対立も騒ぎを呼んだ。

 そうした中で行われた試合で、フィールド上の選手たちには実戦の勘がさび付いている様子もうかがえたものの、モチベーションは高く、今季は4試合で争うブレディスローカップの初戦を引き分けたことで、オーストラリアは18年ぶりの戴冠へ可能性を大きく残している。

 ワラビーズのデイブ・レニー(Dave Rennie)ヘッドコーチ(HC)、オールブラックスのイアン・フォスター(Ian Foster)HCはどちらもこの試合が初陣だったが、ニュージーランド出身の新指揮官同士の対決は、今後のチームの士気の部分でレニーHCに軍配が上がった。

 フォスターHCが経験豊富な面々を起用したのに対し、チーム再建を任されているレニーHCは新しい顔ぶれのワラビーズを披露。特にこれが代表デビュー戦となったハリー・ウィルソン(Harry Wilson)とフィリポ・ダウグヌ(Filipo Daugunu)は、オールブラックスを慌てさせる力があることを証明した。(c)AFP