【10月8日 AFP】保有資産が10億ドル(約1060億円)を超える資産家、いわゆるビリオネア(超富裕層)の総資産額は今年、世界的な新型コロナウイルス危機をよそに、過去最高を記録した。スイス金融大手UBSと国際監査法人プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が7日、報告した。

 報告書によると、世界のビリオネアは7月末時点で2189人で、総資産額は約10兆2000億ドル(約1080兆円)。これまで最高額だった2017年の8兆9000億ドル(約940兆円)を上回った。

 今年の特徴として、イーロン・マスク(Elon Musk)氏を代表格に、テクノロジー、ヘルスケア、製造といった業界の「イノベーター(革新者)やディスラプター(破壊者)」の超富裕層が増えており、エンターテインメントや不動産といった従来の超富裕層を数で上回りつつあると報告書は指摘している。この流れは、新型ウイルス危機によって加速しているという。

 しかし、パンデミック(世界的な大流行)による経済的困難に見舞われる人が多い中で、報告書の内容には激しい非難の声も上がった。

 英労働党のアンジェラ・レイナー(Angela Rayner)副党首はツイッター(Twitter)に、「ビリオネアは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックで大もうけしている。庶民が借金をし、企業が倒産し、失業率は急上昇し、人々が苦しみ大きな犠牲を払う一方で、世界の超富裕層はもうかりすぎて笑いが止まらない!」と投稿した。(c)AFP/Nathalie OLOF-ORS