【10月8日 AFP】英国のウィリアム王子(Prince William)が8日、「史上最も名誉ある」環境賞を創設した。地球最大の問題に対する革新的な解決策をたたえることで「悲観を楽観に」変えたいとしている。

 ウィリアム王子の首都ロンドンの事務所によると、「アースショット賞(Earthshot Prize)」は今後10年間、賞金100万ポンド(約1億3700万円)を毎年5の個人・団体に授与する予定。「変化を促し、今後10年で地球を修復するための一助となる」ことを目的としている。

 ケンジントン宮殿(Kensington Palace)は、同賞は「史上最も名誉ある世界的な環境賞」で、名称は米国のジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)元大統領が1960年代に発表した「ムーンショット(Moonshot)」計画に着想を得たと述べた。

 ウィリアム王子は「この計画の趣旨は、世界で最も重大な環境問題に取り組み、これを解決するため、最高の知性と最良の実行可能な解決策をかき立て、引き合わせることにある」と説明。「変化を起こすには、次の10年間が極めて重要だ。時間が最も重要で、それ故、この非常に野心的かつ世界的な賞こそが、前に進む唯一の方法だと考えている」と述べた。

 同賞は、2030年までの達成を目指す五つの「シンプルだが野心的な」目標を軸に展開されており、それは「自然を保護し回復させること」「空気をきれいにすること」「海をよみがえらせること」「ごみが出ない世界をつくること」「気候を正常な状態に戻すこと」だという。

 同賞には個人や団体、企業が協賛しており、毎年違う都市で表彰式が開かれ、受賞者・受賞団体が発表される。第1回は来年、ロンドンで開催される予定。

 選考委員はヨルダンのラニア王妃(Queen Rania)、豪出身の女優ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)さん、英博物学者のデービッド・アッテンボロー(David Attenborough)さん、コロンビア出身の歌手シャキーラ(Shakira)さんら世界の著名人が務める。(c)AFP