【10月5日 AFP】競馬の凱旋門賞(99th Prix de l'Arc de Triomphe、芝2400メートル)が4日、フランスのパリロンシャン競馬場(ParisLongchamp Racecourse)で行われ、クリスチャン・デムーロ(Cristian Demuro)騎手騎乗のソットサス(Sottsass)が優勝。史上初となる大会3勝目を目指したエネイブル(Enable)は6着だった。

 昨年3着のソットサスは、ジャン・クロード・ルジェ(Jean-Claude Rouget)調教師に初の凱旋門賞のタイトルをもたらした。レース後にはスチュワードによる審議が行われ、ルジェ調教師も気をもんだが、着順通りで確定した。

 エネイブルは好位置につけて最後の直線を迎えたが、フランキー・デットーリ(Frankie Dettori)騎手は末脚を伸ばすことができず、2017年と2018年の優勝馬は6着に終わった。エネイブルが3着以内を逃すのは、過去19戦で初となった。

 デットーリ騎手は「きょうは(馬場が)あまりにも深く、動きが殺されてしまった」とコメントした。

 ドイチェスダービー(German Derby)優勝馬のインスウープ(In Swoop)が2着に飛び込み、序盤から逃げていたペルシアンキング(Persian King)が3着と粘った。

 レース後には、優勝したデムーロ騎手ら複数の騎手がスチュワードに呼び出され、映像を確認しながら終盤の争いについてそれぞれの見解を聞かれた。

 凱旋門賞では1985年に1着で入線したサガス(Sagace)が2位降着となり、エネイブルのオーナーであるサウジアラビアのハリード・ビン・アブドゥッラー(Khalid bin Abdullah al Saud)王子のレインボウクエスト(Rainbow Quest)が優勝する出来事が起こっている。

 しかし今回はそのときの再現とはならず、着順が確定すると、パドックではルジェ調教師を含めた陣営がソーシャルディスタンシング(対人距離の確保)のルールも無視して抱き合った。

 今大会はレース前にも、エイダン・オブライエン(Aidan O'Brien)厩舎(きゅうしゃ)の4頭が、禁止薬物を含んだ飼料を食べたことが原因とみられる陽性反応を検査で示したため、出走を取り消すという大きな出来事があった。(c)AFP