【10月3日 AFP】陸上男子長距離のケネニサ・ベケレ(Kenenisa Bekele、エチオピア)が、4日に英ロンドンで開催されるロンドン・マラソン(London Marathon 2020)を棄権し、陸上競技に飢えているファンが待ち望んでいた世界記録保持者エリウド・キプチョゲ(Eliud Kipchoge、ケニア)との注目の直接対決は幻となった。

 ベケレは、「日曜日のレースに参加できなくなり、とてもがっかりしている」「調子は良かったが、先週の調整で速度を上げた2回連続のトレーニングを終えた後、左のふくらはぎにちょっとした違和感があった」と明かした。

 今年のロンドン・マラソンは、新型コロナウイルスが大流行する中で、最も期待されたマラソン大会の一つになっている。東京五輪など大きな大会が続々と延期または中止になる中、ロンドン市内を周回する今大会は、レジェンド2人の激突として場が整えられ、複数の五輪メダルを誇るモハメド・ファラー(Mohammed Farah、英国)がペースメーカーを務めることにもなっていた。

 昨年のベルリン・マラソン(2019 Berlin Marathon)で2時間1分41秒の好タイムをたたき出し、それを2秒上回る2時間1分39秒の世界最高記録を保持しているキプチョゲに直接挑むはずだったベケレは、「このレースは自分にとってとても重要だった。昨年ベルリンで記録したタイムが最高の自信とモチベーションになっていて、それをもう一度示すことを楽しみにしていた。そのために練習に励んできた」と語った。

「世界中のたくさんの人々が、このレースを楽しみにしていたことは分かっている。ファンや主催者、そして参加者の皆さんをがっかりさせて申し訳ない」 (c)AFP