【10月2日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2020)の女子シングルスで3回戦進出を果たしたマルティナ・トレヴィザン(Martina Trevisan、イタリア)が、拒食症に数年間苦しんでいた過去を明かし、「食事を改めて教わらなければならなかった」と述べた。

 伊トスカーナ(Tuscan)州フィレンツェ(Florence)出身のトレヴィザンは26歳。四大大会(グランドスラム)の本戦出場は今年1月の全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2020)に続きこれが2度目だが、今大会の2回戦では16歳のコリ・ガウフ(Cori Gauff、米国)をフルセットの末に破った。

 世界ランキング159位のトレヴィザンは10年以上前、全仏オープンとウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)のジュニア部門のダブルスで4強入りを果たすなど将来を期待されていたが、父が変性疾患と診断された後の10代の頃は摂食障害にひどく悩まされていたと告白した。

 トレヴィザンは伊メディア「The Owl Post」内のブログで「自分の筋肉質な体が大嫌いだったから、生きることができる限界まで自分自身に食事制限を課し、体重を減らそうとした」と記した。

「午後は30グラムのシリアルと果物一つ。それで持ちこたえることはできたけれど、母を心配させてしまい、私に何か食べさせようと走って木から桃を摘んでこさせたりしてしまった」

「引き返せない場所にまで到達していたものの、幸運にもこんなことは続けられないと気づけた。あらゆる関心がうせ、自分の殻の中に閉じこもり、もはや自分自身を認識できないほどの無気力状態に陥っていた」

「心の傷と向き合うために、食事を改めて教わらなければならなかった」

 今大会には予選を勝ち上がって臨んでいるトレヴィザンは2日、16強入りを懸けて大会第20シードのマリア・サッカリ(Maria Sakkari、ギリシャ)と対戦する。

 自身の問題に対処するため、テニスから4年離れていたトレヴィザンは「拒食症は治る」と続けた。「ほぼ無意識のうちに、自分自身が再びラケットを握っていることに気づいた」 (c)AFP