【10月4日 CNS】高校教育に従事して40年余り、退職後は100万人近くのファンを持つ「ファッションインフルエンサー」。この中国・湖北省(Hubei)武漢市(Wuhan)に住む83歳の男性はネットユーザーから「康おじいさん」と呼ばれ親しまれている。

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 2019年9月、1本のショート動画が話題になった。動画では、長年海外で働いていた孫が帰省し、久しぶりに会った祖父は、サングラスをかけ、バケットハットをかぶり、ネオンカラーのTシャツを着ていて、片手にはコーヒーを持っていた。このトレンドをつかんだ康おじいさんのショート動画には100万の「いいね」がついた。動画が受け入れられ、康おじいさんもさらにファッションに熱を上げ、孫と康おじいさんは定期的に動画を投稿することに決めた。

 9月11日、記者は武漢市黎黄陂路の喫茶店で康おじいさんと孫の康康さんと待ち合わせた。康おじいさんは、ショートパンツをはいて、キャップをかぶり、83歳とは思えないほど服を着こなしていた。

 康おじいさんによると、40、50年代は「中山装(人民服、中国で広く用いられた上下揃いの上着の一種)」しか着ることができなかったが、改革開放後は服の種類が徐々に増えていき、現在では多種多様なファッションブランドが登場した。中国経済の発展は速く、人々の思想はより開放的になった、という。

「紳士風」のスリーピーススーツであろうが、カジュアルな「ストリート系」や若者に好まれる日本・韓国ファッションであろうが、康おじいさんは着こなせる。
服のコーディネートは美に対する追求だけではなく、幸せの感度を高め人生を豊かにする。若者とつながるだけではなく、多くの高齢者に若々しくいてもらいたいと康おじいさんは考えている。

 康おじいさんは、「友人の中には、定年後は徐々に社会から取り残され、喪失感を感じるようになる人もいる。そうなれば、健康にも悪影響を及ぼすことになる。まだ体に残る余熱を社会のために使いたい。動画を通して、高齢者に活力を与えたい。また、若者に健康に良い食生活と規則正しい生活をアドバイスしたい」と語った。(c)CNS/JCM/AFPBB News