【10月2日 AFP】アルメニアとアゼルバイジャンの係争地ナゴルノカラバフ(Nagorno-Karabakh)で続く軍事衝突について、フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領は1日、トルコを経由して現地入りしたシリアのイスラム過激派戦闘員が戦闘に参加していると発表し、「状況を変える深刻な新事実」だとの見解を示した。

 アルメニア系住民が多数を占めるナゴルノカラバフはソ連崩壊時、アゼルバイジャンからの独立を宣言。以来、アルメニアとアゼルバイジャンは同地をめぐり対立を続けている。

 先月27日から5日間にわたり続く軍事衝突では、これまでに130人以上が死亡。戦闘の前線から25キロほど離れた小さな町マルトゥニ(Martuni)では1日、AFPなどの記者らが地元住民に取材中、近郊で起きた砲撃により仏日刊紙ルモンド(Le Monde)の記者と写真記者が負傷した。AFPの記者にけがはなかった。

 両国は、民間人が住む地域への砲撃を行ったとして互いを非難している。欧米諸国とロシアは1日、改めて停戦を呼び掛けたが、両国は国際社会の要求を拒否しており、地域大国のロシアとトルコが紛争に引き込まれる恐れも出ている。

 ロシアが主導する旧ソ連構成国の軍事同盟に加盟しているアルメニアは、トルコが同盟国のアゼルバイジャン側部隊を支援する傭兵(ようへい)をシリア北部から派遣したと主張している。

 トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領は、アゼルバイジャン軍を全面的に支援する姿勢を示唆。1日には、アルメニア軍に対しナゴルノカラバフからの撤退を求めた。(c)AFP