【9月29日 AFP】米テキサス州で今月、6歳の少年が脳を食べるアメーバに感染し死亡したことから、州知事が災害宣言を発令する事態に至っている。

 今月8日に死亡した少年が「フォーラー・ネグレリア(学名ネグレリア・フォーレリ)」と呼ばれるアメーバに感染していたことが発覚し、グレッグ・アボット(Greg Abbott)州知事は27日、ブラゾリア(Brazoria)郡に災害宣言を発令した。

 米報道によると、このアメーバは川や湖など水温の高い淡水や、手入れの行き届いていないプールで繁殖する微生物。ヒトの体内へは鼻粘膜から入って脳に到達し、強い片頭痛、高熱、首のこり、嘔吐を引き起こし、その後、めまい、極度の疲労感、錯乱、幻覚などを引き起こす。

 地元のレイク・ジャクソン(Lake Jackson)市当局が少年の死後に調査したところ、少年の家の水まき用ホースからこのアメーバの痕跡が発見された。さらに同市中心部にある噴水と、大都市ヒューストン(Houston)から1時間ほどしか離れていない町の消火栓でも同じ痕跡が見つかった。

 死亡したジョサイア・マッキンタイア(Josiah McIntyre)君の祖父母は現地紙ヒューストン・クロニクル(Houston Chronicle)に対し、ジョサイア君は症状が出る直前、市中心部の噴水公園で遊んでいて、そこでアメーバに汚染された水にさらされたのだろうと語った。現在、問題の公園は封鎖されている。

 市当局は一時、住民に飲用、入浴、調理に水道水を使わないよう勧告。その後勧告は解除されたが、現在も水道水は煮沸してから使用するよう呼び掛けている。

 テキサス州保健当局によると、同州では1983年から2010年の間に28人がフォーラー・ネグレリアに感染し、死亡している。(c)AFP