【10月12日 AFP】全仏オープンテニス(French Open 2020)の男子シングルスで通算13回目の大会制覇を果たしたラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)が、開幕前は今年は優勝には力が及ばないかもしれないと危惧していたことを明かした。

 34歳のナダルは、11日に行われた決勝でノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)に6-0、6-2、7-5で圧勝し、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)と並ぶ男子歴代最多タイの四大大会(グランドスラム)通算20回目の優勝を達成した。

 ローラン・ギャロス(Roland Garros、全仏オープン)では、2005年の初出場以来マッチ通算100勝目(2敗)で、1972年のアンドレス・ヒメノ(Andres Gimeno)の後では最年長の全仏王者となった。

 しかし、ナダルは新型コロナウイルスの影響で連覇がかかっていた全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2020)を欠場するなど、2月の後はわずか1大会にしか出場せずに、今回の全仏オープンに乗り込んでいた。

 そうした中でナダルは試合後、「正直に言って、1か月半前に再び優勝するよと言われても、『おそらく今年は難しすぎる』と答えていたと思う」「不安は人生の一部。自分にとって不安は良いことだ。自分を過信しないということだからね。もちろん、今年は誰にとっても難しい一年になっている」「でもスポーツの世界では、状況が急変することもある」と語った。

 この日の決勝では、ジョコビッチが52本のアンフォーストエラーを犯したのに対し、自身はわずか同14本に抑える一方的な試合運びを見せ、ジョコビッチに全仏の決勝で3回目、大会全体では通算8戦目にして7回目の勝利を記録した。

「2セット半は最高のプレーができた。最高のプレーをせずに彼からこのスコアを記録するのは無理だからね」と振り返ったナダルは、「そうだね。だから非常に良い決勝を戦えたと思う。必要な時に自分の最高のプレーを出せた。そこを非常に誇りに思う」と続けた。

「自己満足度は高い。なぜなら、きょうは素晴らしい試合ができたけれど、今回のローラン・ギャロスのコンディションは自分が出ようと思うような大会のコンディションでは全くなかったから」 (c)AFP/Dave JAMES