【9月24日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)に参戦するメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は、27日に決勝が行われる第10戦ロシアGP(Russian Grand Prix 2020)で、ミハエル・シューマッハ(Michael Schumacher)氏に並ぶ歴代最多タイのF1通算91勝目を目指す。その一方、同GPでは約3万人の観客の入場が許可されたことで、新型コロナウイルスによる悪影響がもたらされるかもしれないという懸念も存在している。

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 通算6度の総合優勝を誇り、かつては破られないと信じられてきたシューマッハ氏の最多勝記録にあと1勝と迫っているハミルトンは、過去6年で4勝している同GPでの大本命になるはずだ。

 今季ここまでの9戦で6勝を挙げているハミルトンは、総合順位でもチームメートの2位バルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)に55ポイント差をつけている。また、ロシアGPがF1のカレンダーに組み込まれるようになってから、ハミルトンの他に同レースを制したのはボッタスと、2016年の総合王者ニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)氏しかいない。

 また、2014年ソチ冬季五輪のメイン会場だったソチ・オートドローム(Sochi Autodrom)でメルセデス勢が勝利すれば、同一GPにおけるコンスタラクターズの最長連勝記録も更新される。

 ハミルトンにとっては、2017年大会でキャリア初勝利を飾ったボッタスが最大のライバルになる可能性が高いとみられている。

 自らのドライビングスタイルに合っている同サーキットで強力な存在になれることを証明しているボッタスは、総合優勝争いに踏みとどまるには、ハミルトンのパーティーを台無しにする必要があることも理解している。

 これに対し、マシントラブルで2戦連続のノーポイントに終わったレッドブル(Red Bull)のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)は、シーズン序盤の調子を取り戻そうと模索するだろう。

 フェルスタッペンは「ソチでのレースは簡単じゃない。長いストレートが多く、われわれに有利なコースじゃない。オーバーテークするのは難しい」とコメントしている。

 主催者によれば、ロシアGPでは約3万人の観客動員が予想されており、チケットも完売しているという。

 ソチ・オートドロームに足を運ぶ約3万人の観客が貴重なスポーツの生観戦を満喫する一方、F1の上層部たちは、新型ウイルスの潜在的な脅威を懸念していると報じられている。

 ロシアは新型ウイルスの感染者数が100万人を超えた4か国の一つとなっている。これまでの9戦は厳しく管理されたバブル環境下で観客を入れずに開催されており、厳格な規制の緩和は、パドックのすべての人から温かく歓迎されているわけではない。(c)AFP