【9月23日 AFP】スペイン1部リーグのFCバルセロナ(FC Barcelona)に所属し、イタリア・セリエA王者ユベントス(Juventus)への移籍が取り沙汰されていたルイス・スアレス(Luis Suarez)が、イタリア語のテストで講師の口利きも得ながら不正を行っていた疑いが持ち上がっている。捜査当局が22日に明かした。

 ユベントスへの移籍は破談に終わったとみられているスアレスだが、語学試験の合格はイタリアの旅券取得に向けた第一歩だった。しかし捜査を担当する伊ペルージャ(Perugia)の検察当局は「試験で話題にするテーマは事前に合意済みで、受験前から必要な等級の取得が決まっていたことが捜査で明らかになった」と発表した。

 検察当局は、ペルージャ外国人大学(University for Foreigners Perugia)関係者のさまざまな不法行為について2月から捜査を進めており、スアレスに関しては捜査対象者の会話から疑惑が浮上した。

 イタリアメディアが引用した捜査資料によると、当局がマークしている女性が「だけど、どうするの? 彼(スアレス)を落とすわけ? きょう最後のレッスンをやったけど、手を考えないと。だってあの人、ほとんど一言も(イタリア語を)しゃべれないんだから」と話したとされる。

 さらにこの女性は、スアレスはどのレベルに「合格させるべき」かとの同僚の問いかけに対して、「ダメだけど、合格させないと。だって年俸1000万ユーロ(約12億3000万円)よ。落とすわけにはいかない」「動詞の活用も、不定詞も知らないけどね」と答えているという。

 ユベントスの新指揮官に就任したアンドレア・ピルロ(Andrea Pirlo)監督は前週、スアレスの旅券取得が遅れていることを理由に、獲得交渉が進む見込みは薄いと話していた。(c)AFP