【9月21日 AFP】週末にかけて王室の改革を求める民主派デモが行われたタイの首都バンコクで、20日にデモ参加者らによって設置された「国は国民に帰属する」と記された銘板が、21日までに撤去されていたことが分かった。銘板は現在も行方不明で、警察は捜査を進めているとしている。

 タイではここ2か月、2014年のクーデターを主導した元軍トップのプラユット・チャンオーチャー(Prayut Chan-O-Cha)首相の辞任を求める若者中心の集会がほぼ毎日開催されている。

 3万人余りの学生らは19日、王宮前のサナーム・ルアン(Sanam Luang)広場で集会を開き、王室の改革を強く訴えた。そして20日早朝、デモ主催者らが同広場に隣接する舗装エリアに記念の「国民の銘板」を設置した。

 しかしAFP記者が確認したところ、21日には銘板が消失していた。

 銘板には「この国が国王ではなく国民に帰属すると、国民は意思表明した」との宣言文が記されており、設置の際には著名学生活動家のパリット・チワラック(Parit Chiwarak)氏が「封建制に終わりを、国民よ永遠に」と叫び、参加者から歓声が上がった。

 リーダーがいない今回の一連のデモは香港の民主派デモに触発されたもので、若者が中心となって進めている。参加者はプラユット政権の解体、憲法改正、そして当局による反体制派への「嫌がらせ」の中止を求めている。

 デモ参加者の一部からは、王室に関する活発な議論を求める声も上がっている。タイではこれまで、王室に関する議論は厳格な不敬罪によりタブーとされてきた。(c)AFP