【9月20日 Xinhua News】中国甘粛省(Gansu)最南端に位置する隴南市(Longnan)文県碧口鎮で、「国宝」と呼ばれる野生ジャイアントパンダのパトロールをする何礼文(He Liwen)さん(43)は、この仕事に就いて24年になる。

 パンダは肉食性の強い雑食動物のなかまで、人を攻撃することもある。野外パトロールは動物の攻撃を受ける可能性があり、長期間に及ぶため、リスクも大きい。

 何さんは自身の仕事について「野生パンダのパトロールは一貫して人力頼みで、基本的に月1回行われている。毎回3~5人で1組になり、携帯保存食を背中に積んだロバやラバを1~2頭連れて原生林に入り、あちこちに設置した赤外線カメラのバッテリーやメモリーカードを定期的に交換する」と説明し、同僚とともに20年以上にわたり山を歩き続けてきたと述べた。直線距離で1キロ足らずの山道だが、歩くと数時間から十数時間かかることも多い。

 原生林の中の山道は迷宮のように複雑で、天気も気温も目まぐるしく変わるため、何さんらはこれまで何度も山奥で足止めされた。その時の状況について「電気も信号もないので、外部と連絡が取れない」と振り返った。

 何さんは現在、甘粛省白水江国家級自然保護区管理局ジャイアントパンダ弁公室の主任を務めている。保護区内の野生パンダ分布状況を把握しているだけでなく、山林も熟知している。

 この20年余り、保護区内の野生パンダの個体数は増え続け、生態環境も改善し続けている。省内の野生パンダは現在132頭で、うち110頭が同保護区内に生息している。(c)Xinhua News/AFPBB News