【9月14日 AFP】(更新)ロシアの野党勢力指導者アレクセイ・ナワリヌイ(Alexei Navalny)氏(44)が、化学兵器として使用される神経剤ノビチョクの被害に遭ったとされる問題で、同氏の治療を行うドイツ政府は14日、ナワリヌイ氏にノビチョクが使われたことがフランスとスウェーデンの研究所で確認されたと発表した。

 ドイツのシュテフェン・ザイベルト(Steffen Seibert)報道官は、「ナワリヌイ氏から採取した新たな検体を基に、ドイツが得た(ノビチョク被害の)証拠を独自に再検証するよう」フランスとスウェーデンに要請したと報告。両国の専門研究所で行われた検証結果が明らかになり、「ドイツの証拠が事実と確認された」と述べた。

 ザイベルト報道官はまた、化学兵器禁止機関(OPCW)による別の検証結果を待っていると発表。これら欧州3機関の結果を基に、ドイツはナワリヌイ氏をめぐる「一連の出来事について明らかにするよう、改めてロシアに要請する」と述べた。

 汚職撲滅運動の活動家で、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領批判の急先鋒(せんぽう)に立つナワリヌイ氏は先月、搭乗した国内線の機内で体調が急変。シベリア(Siberia)の病院で治療を受けた後、ドイツの首都ベルリンに移送された。

 ドイツは2週間前、ナワリヌイ氏に対してノビチョクが使用された「明白な証拠」があると発表。ロシア側は同国の医師団が毒物の痕跡を確認していないとして、ドイツの主張を否定した。

 ナワリヌイ氏の治療を行うドイツの病院は今月7日、同氏が人工的な昏睡(こんすい)状態から脱し、言葉での呼び掛けに反応していると発表した。(c)AFP