【9月11日 AFP】ドイツで10日、国内で初となるアフリカ豚熱(ASF)の感染が確認された。同国の主要な豚肉産業への深刻な打撃が懸念されている。

 農業省の発表によると、東部ブランデンブルク(Brandenburg)州の対ポーランド国境付近で見つかった野生のイノシシの死骸を検査したところ、ASFへの感染が確認されたという。

 ドイツは欧州最大の豚肉生産国で、年間約500万トンを生産している。ユリア・クレックナー(Julia Kloeckner)農業相は、ブランデンブルク州からの輸出は制限するものの、欧州連合(EU)との豚肉取引に関しては、影響のない他の地域から輸出を継続すると発表した。

 ASFは、野生のイノシシと家畜の豚にとっては致死性が高いが、人間に害はない。

 とはいえ、ASFのない国からしか輸入しないと定めている国が複数あり、その中には中国も含まれる。中国では、ASFの流行で豚数百万匹が殺処分を余儀なくされており、このところドイツ産豚肉への需要が急増していた。(c)AFP