【9月10日 Xinhua News】中国科学院南京地質古生物研究所はこのほど、同研究所早期生命研究チームと米国の研究者が協力し、湖北省(Hubei)三峡地区の石板灘生物群から、樹木の葉に似た形の古生物4種類を発見したと明らかにした。これらの「葉」は、木の枝に生える本物の葉と異なり、特異な形態をした初期の動物で、大昔の海底に生息していた。

 研究に参加した同研究所の龐科(Pang Ke)副研究員によると、今回新たに発見した4種類の古生物は、約5億5千万年前の海底に生息していたが、現在は完全に絶滅している。4種類の形は似ており、体長はいずれも約10センチで、木の葉身(ようしん)によく似ている。

 特徴的な点として、これらの古代の「葉」の底端部には円形の吸盤が付いている。これら古生物は吸盤で海底に吸い付き、「茎」と「葉身」部分が海水中で直立し、普段は海底で「葉」のように揺れていた。研究者は、これらの古生物が揺れながら海水中の粒子状有機物を吸収して生きていたと推測している。

 龐氏は「5億5千万年前、これらの海底の『葉』は数が非常に多く、広範囲に分布していたが、生物的属性については現在までほとんど知られていない」と説明。生存していた年代は、有名な「カンブリア紀の生命大爆発」よりも前で、古代の海底で生きていたこれらの「葉」の謎を解くことが、初期の生命進化を探る重要な手がかりにつながる可能性があると指摘した。

 研究成果はこのほど、国際的古生物学誌「Journal of Paleontology」に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News