【9月9日 AFP】中国は9日、オーストラリアの情報機関が中国国営メディアの海外特派員らに対し、スパイ問題に関連しているとみられる家宅捜索を行い、尋問した上、パソコンや携帯電話を押収したと発表した。

 中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は9日、記者団に対し、オーストラリアに駐在している、国営の新華社(Xinhua)通信、中国新聞社(China News Service)、中央広播電視総台(China Media Group)のジャーナリストらが、6月下旬に豪情報機関による強制捜査を受けたと発表。

 趙報道官によると、4人のジャーナリストが「外国の内政干渉を防止するオーストラリアの法律に違反した疑いがあるとして尋問された」上、携帯電話やパソコンに加え、子どものタブレット端末まで押収されたという。

 同報道官は「中国メディアの在豪ジャーナリストらは、現地の法律と規制を厳守していたと強調したい」と述べた上で、豪側の行動は「中国メディアの正規の報道業務を著しく妨げるものであり…ジャーナリストらとその家族の心身の健康に深刻な被害を及ぼす」と非難した。

 豪治安情報局(ASIO)は、強制捜査の事実認否を拒否。また連邦警察も「コメントすることはない」としている。 

 中国とオーストラリアの間で、安全保障や貿易、報道の自由をめぐって外交衝突が続く中、先には中国当局が、在中の豪ジャーナリストに対する捜査を行っていた。

 7日には、豪メディアのジャーナリストで、在中の最後の2人が緊急帰国。また中国の国営テレビでキャスターを務めていたチェン・レイ(Cheng Lei)氏は、「国家安全保障上の理由」により、現在も中国当局に拘束されている。(c)AFP