【9月6日 AFP】スリランカ沖で発生したパナマ船籍の大型タンカー「ニュー・ダイヤモンド(New Diamond)」の火災は36時間の消火活動でようやく鎮圧され、タンカーは5日に沿岸部から深水域にえい航された。海難救助関係者が明らかにした。映像は同日撮影。

 インドのパラディプ(Paradip)港へ向かっていたタンカーは、スリランカ沖を通過していた3日午前にエンジン室の爆発が原因で出火し、フィリピン人船員1人が死亡した。

 原油流出が発生した場合には環境面の大惨事になるとの懸念が高まる中、インド沿岸警備隊とスリランカ海軍は、全長330メートルのタンカーが4日夜から一夜の間に沿岸から約60キロの深水域にえい航されたことを明らかにした。えい航作業はタグボート3隻が行い、2隻はインドが派遣し、残り1隻は船主がチャーターした。

 インドとスリランカによる合同消火活動の後、インド沿岸警備隊は「水面に油膜が浮いているとの報告はない」と発表した。スリランカ当局は、タンカーの救出活動に先立ち、積載されている原油を別の船に移すことを検討していると表明。また、水線の10メートル上に約2メートルの亀裂があるものの、船体が分裂するリスクは今のところないとの認識を示した。

 ニュー・ダイヤモンドは、7月にモーリシャス沖で座礁し、1000トン超の燃料油を流出させた日本の貨物船「わかしお(MV Wakashio)」より大きい。(c)AFP