【9月3日 AFP】(更新、写真追加)強い台風9号(アジア名:メイサーク、Maysak)は3日未明、韓国南部・釜山(Busan)に上陸し、少なくとも1人が死亡、2200人以上が避難を余儀なくされた。北朝鮮では豪雨により、港の周辺の通りが冠水した。

 台風9号は、最大風速約39メートルの勢力で釜山に上陸。市内では電柱や木々が倒れ、道路が冠水したほか、強風でアパートの窓が割れ、女性1人が死亡した。韓国南部や済州(Jeju)島で合わせて2200人以上が避難し、12万世帯が一晩中停電に見舞われた。

 蔚山(Ulsan)では、公園に設置されていたブラキオサウルスの像の首が強風のためぽっきり折れる被害もあった。

 その後、台風は朝鮮半島東側の日本海を北上し、グリニッジ標準時3日午前2時(日本時間同11時)に北朝鮮・咸鏡北道(North Hamgyong Province)の金策(Kimchaek)に再上陸した。

 北朝鮮では各地で豪雨となり、国営メディアは生中継で厳戒態勢を呼び掛けた。東岸の元山(Wonsan)では、3日正午までの15時間の総雨量が385ミリに達し、港付近の道路が冠水した。

 しかし、北朝鮮当局は、台風は勢力を弱めて中国へ向かったとして既に警報を解除した。

 朝鮮半島を台風が直撃するのは、この1週間で2度目。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)朝鮮労働党委員長は先週、台風8号(アジア名:バービー、Bavi)で被災した農耕地帯を視察し、被害が「予想より小さかった」として安堵(あんど)を表明していた。

 既に、台風10号(アジア名:ハイシェン、Haishen)が強い勢力を伴って北上しており、7日朝にも朝鮮半島を直撃する見通しだ。(c)AFP