【8月28日 AFP】国連(UN)の専門機関、世界気象機関(WMO)は27日、太平洋赤道域の海面水温が平年より低い状態となるラニーニャ(La Nina)現象が近く発生するものの、世界の気温は気候変動の影響で平年より高い状態が続くとの予測を発表した。

 WMOによると、今年9~11月にラニーニャ現象が発生する確率は60%。だが、ペッテリ・ターラス(Petteri Taalas)WMO事務局長は「発生しても、その冷却効果は人為的な気候変動の影響を相殺するには不十分だろう」と警告した。

 ターラス氏は、「2020年が観測史上最も気温の高い一年になるとの見通しは変わらない。猛暑や山火事、大規模な洪水、海洋熱波といった異常気象は続く」と指摘。「これは自然の気候変動要因ではなく、主に温室効果ガスによって引き起こされているものだ」と述べた。

 WMOは、今後3か月間の海面水温が地球上の大部分で平年より高くなると予想する最新データを提示。ラニーニャ現象をはじめ地域的な気候条件を考慮すると、「アフリカの角(Horn of Africa)」と呼ばれるアフリカ大陸北東部とアフリカ南部、太平洋の西部と南部、北米中部では季節降雨量が平年を下回る可能性が高いとしている。

 一方、南アジアや東南アジア、オーストラリアの一部では、降雨量が平年を上回る可能性が高いという。(c)AFP/Nina LARSON