【8月27日 AFP】インド洋の島国モーリシャスの海岸で26日、イルカの一種であるカズハゴンドウ18頭が打ち上げられた。同国のスディーア・モドゥー(Sudheer Maudhoo)海洋経済・海洋資源・漁業・海運相が発表した。日本の貨物船座礁により今月起きた燃料流出が原因ではないかとの見方が出ているが、モドゥー氏は関連を否定している。

 イルカは同国南東部グランドセーブル(Grand Sable)の海岸に漂着。何頭かは傷を負い、発見時に生きていたが後に死んだものもいた。モドゥー氏は記者会見で、漂着した18頭すべてが死んだと発表。「表面や呼吸器系内には炭化水素の痕跡がなかった」と説明した。同日夜には死因を調べるための解剖が行われている。

 貨物船「わかしお(MV Wakashio)」はグランドセーブルから約10キロメートル離れたサンゴ礁に乗り上げ、船体からは1000トン以上の燃料が流出した。地元住民の多くは燃料流出が漂着の原因だった可能性を懸念しているが、専門家は現時点では死因を判断できないと指摘している。

 モーリシャス海洋保護協会(Mauritius Marine Conservation Society)のオーウェン・グリフィス(Owen Griffiths)氏はAFPに対し、同じ地域で2005年にも70頭のカズハゴンドウが漂着したことに言及し、「非常に不運な偶然だろう」と説明。

「恐らく魚の群れを追って礁湖(ラグーン)に進入し、混乱して沖合への戻り方が分からなくなった結果、水路を見つけようとせずに直接サンゴ礁の上を通って海洋に出ようとし、パニックとストレスでサンゴ礁に衝突して疲れ果てて死んだのではないか」と話した。(c)AFP