【8月25日 AFP】シリア全土で23日夜、停電が発生し、政府は翌24日、エネルギーインフラを標的にしたとされる攻撃が相次いでおり、今回の停電も「テロリストら」によるパイプライン攻撃によるものだと非難した。

 国営シリア・アラブ通信(SANA)は、ズハイル・ハルブートリー(Zuhair Kharboutli)電力相が、23日夜にダマスカス郊外のパイプラインで起きた爆発が「シリア全土での停電を招いた」と発表したと伝えた。

 また、アリ・ガーニム(Ali Ghanem)石油鉱物資源相は、アドラ(Adra)とドゥマイル(Dmeir)の間で発生したガスパイプラインの爆発は「テロ攻撃によるものだ」と発表したが、それ以上の詳細は明らかにしていない。

 米政府のジェームズ・ジェフリー(James Jeffrey)シリア担当特別代表は、スイス・ジュネーブで報道陣に対し、今回のパイプライン攻撃主体について調査が続いていると述べる一方で、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」による攻撃だったことは「ほぼ間違いない」との見方を示した。

 シリアのハルブートリー電力相も、「同域のパイプラインにおけるこの種の爆発としては6回目」だったとしている。ただどの時点から数えて6度目かは明言していない。

 同電力相は24日午前、SANAに対し、一部の県に加え、ダマスカス中心部でも病院や住宅街などに電力が戻ったと話した。

 ISは、ダマスカスの東にある広大なバディア(Badia)砂漠で依然勢力を保っている。

 ジェフリー氏は24日、「シリアでは、特にユーフラテス川(Euphrates River)の南のバディア砂漠で、ISの活動の活発化を目にしている」と述べた。

 一方、在英のシリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)は、同域には多くの親政府勢力が存在し、今回の攻撃の実行主体は現時点では明らかになっていないとしている。

 ドゥマイル軍用空港にはロシアの部隊が駐留しており、また、ドゥマイルおよびバディア砂漠の境界地帯には、イランの部隊や同盟関係にある戦闘員らの拠点もある。

 映像前半は炎上するパイプラインの消火活動に当たる消防隊、SANAが24日撮影・提供。後半はパイプラインの修繕作業、24日撮影。(c)AFP/Maher al-Mounes with Alice Hackman in Beirut