【8月21日 CNS】自然災害に対応する中国応急管理部の周学文(Zhou Xuewen)副大臣は13日、今年相次いだ洪水災害で6346万人が被災し、直接的な経済損失は1789.6億元(約2兆7386億円)に上ると明らかにした。

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 国家水害・干ばつ対策総指揮部秘書長と水利部副大臣も兼務している周氏は、「今年は非常に特異な年だ。年の初めには新型コロナウイルスの感染が爆発し、6月からは長江(Yangtze River)、淮河(Huai River)、太湖(Tai Lake)流域で深刻な水害が発生し、救援・復旧作業は困難を極めた」と説明。各地の水量が過去最多を記録し、一方で犠牲者が比較的少なかったと話した。

 長江や淮河流域の梅雨の降水量は759.2ミリを記録し、62日連続で雨が降るなど、1961年の統計開始以来、最多となった。また、巣湖(Chao Lake)の水位が過去最高を超えたのをはじめ、長江中流の蓮花塘江(Lianhuatangjiang)、洞庭湖(Dongting Lake)、ハ陽湖(Poyang Lake)の水位が警戒ラインを越えるなど、全国で634の流域で警戒水位を超える洪水が発生した。

 洪水による被災者は6346万人、経済損失は1789.6億元に上り、過去5年の平均と比べそれぞれ12.7%と15.5%増えた。ただ、洪水による死亡・行方不明者は219人、倒壊家屋は5.4万棟で、過去5年の平均よりそれぞれ54.8%と65.3%減少した。

 周氏は「7月後半と8月前半は広い範囲で豪雨が発生し、『七下八上』と呼ばれる最も洪水を警戒する時期だ」と指摘。「ただ、洪水が発生する時期は9月末までに続き、新たに洪水が起きる可能性は依然としてある。警戒を緩めず、防水や救助作業に全力を尽くす」と強調した。(c)CNS/JCM/AFPBB News