【8月21日 AFP】クーデターが起きたマリで20日、軍事政権が暫定政府を設置する方針を明らかにした。一方、西アフリカの周辺諸国は「憲法秩序の早期回復」のため代表団を派遣すると表明するとともに、辞任を表明した大統領の復帰を要請した。

 マリでは一部の兵士らが18日、イブラヒム・ブバカル・ケイタ(Ibrahim Boubacar Keita)大統領とブブ・シセ(Boubou Cisse)首相の他、政府高官らを拘束し、権力を掌握した。

 軍事政権のイスマエル・ワゲ(Ismael Wague)報道官はフランスのテレビ局「フランス24(France 24)」とのインタビューで、「暫定評議会を設置し、暫定大統領には軍人あるいは民間人が就く」と述べた。

 ワゲ氏は「われわれは市民社会、野党、多数派、すべての人と接触し、暫定評議会の設置に取り組んでいる」と述べ、暫定政府は「可能な限り短期間になる」とした。

 これに先立って同日行われた西アフリカの15か国で構成される「西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)」のビデオ会議で、ニジェールのマハマドゥ・イスフ(Mahamadou Issoufou)大統領は「憲法秩序の早期回復が確実に行われるよう、高官代表団を直ちに派遣することを決定した」と表明していた。

 イスフ氏は、ECOWASは話し合いを通じて「軍事政権の指導者らに、武力によって権力を掌握する時代はこの地域では終わったと伝える」との意向を示した。(c)AFP/Serge Daniel, with Boureima Hama in Niamey