【8月18日 AFP】ベラルーシの首都ミンスクで17日、アレクサンドル・ルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領に対する抗議デモが9晩連続で行われた。辞任を求める圧力が強まる中、工場労働者らからやじを浴びる一幕もあった。

 ミンスク中心部の独立広場(Independence Square)にはこの日、数千人が集まり、強権的な体制を敷くルカシェンコ氏に対し、野党の紅白旗を振りながら「出て行け」と叫び、辞任を要求した。

 また、デモ参加者らは拘置所に向かって行進し、拘束されている野党指導者らや、大統領選の投票結果に反発して実施された抗議デモでの逮捕者の釈放を要求した。今月9日に行われた大統領選では、ルカシェンコ氏が80%の得票率で勝利したと主張している。

 これに先立つ16日、26年間にわたって権力を握り続けるルカシェンコ氏に対する最大規模の抗議デモが繰り広げられ、複数の工場および国営テレビの従業員らが抗議のために職場を離れた。

 ルカシェンコ氏の対立候補だったスベトラーナ・チハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏によるデモ継続の呼びかけを受けて行われた、「自由の行進」と呼ばれるデモに10万人超が参加した。政界では新参者ながら出馬したチハノフスカヤ氏は大統領選に勝利したと主張している。

 そうした中、数千人を拘束し、その冷酷さを訴える声が広く上がっている警察の取り締まりによって、ルカシェンコ氏の支持基盤であった国営企業さえもが同氏に背を向け始めている。

 ソーシャルメディア上で広く拡散された動画では、17日に演説しようとしたルカシェンコ氏に対し、ミンスク装輪式トラクター工場(MZKT)の労働者らが「出て行け!」と叫ぶ様子が捉えられている。

 投票のやり直しには応じないと先に表明していたルカシェンコ氏は立腹し、「ありがとう、すべてを話した。『出て行け』と叫んでもらってかまわない」と言い残し降壇した。

 この演説の動画では、ルカシェンコ氏による「私を殺すまで、選挙はない」との発言が聞き取れる。

 だがその後、憲法をめぐる国民投票の後に権力を移譲してもよいとの意向を示唆。「もし国民投票で憲法が承認されたら、その憲法に従って、もし望むのなら、議会選もしくは大統領選のどちらでも実施する」と述べた。(c)AFP/Tatiana Kalinovskaya