【8月14日 AFP】子どもの権利保護団体「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」は13日、シリア北東部アルホル(Al-Hol)の避難民キャンプで8月6~10日に5歳未満の子ども8人が死亡したと発表し、「5歳未満児の死亡率が年初比で3倍以上に急増している」と警鐘を鳴らした。

 シリア北東部の大部分を掌握するクルド人自治政府が運営するアルホル避難民キャンプには、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の戦闘員の家族を含む数万人が暮らしている。クルド人地域では、これまでに新型コロナウイルスの感染者171人、死者8人が確認されている。

 セーブ・ザ・チルドレンは子ども8人の死因について、心不全、皮下出血、極度の栄養失調などを挙げ、いずれもキャンプ内の医療体制が整っていれば治療可能だったと説明した。

 だが、アルホル避難民キャンプへの医療支援は、これまで国連支援物資の搬入に使用していた国境検問所が今年1月に国連安全保障理事会(UN Security Council)の決定で閉鎖されたため、大幅な削減を余儀なくされている。キャンプ内の医療施設の機能は40%低下しているという。

 セーブ・ザ・チルドレンのシリア担当責任者は、「子どもたちを守るという点において、あらゆるレベルで集団的な失敗を目の当たりにしている」と述べ、安保理の対応を非難した。(c)AFP