【8月13日 Xinhua News】桃によって酸味に違いがあるのはなぜか。中国科学院武漢植物園果樹分子育種学科グループの研究者がこのほど、その謎を解き明かした。

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 有機酸含有量は、果実の風味や品質を判断する重要な指標の一つとなっている。研究者は今回、桃の果実に含まれる有機酸の成分と含有量を測定。主にリンゴ酸とクエン酸が含まれることを発見した。桃の果実は発育初期に有機酸を大量に含んでいるが、成熟期を迎えると含有量が著しく減少し、低酸性となる。

 研究では、酸味が少ない品種は発育後期にグルタミン酸デカルボキシラーゼ遺伝子の発現レベルが上昇し、クエン酸の分解を促進することが明らかになった。また、ピルビン酸脱水素酵素キナーゼ遺伝子とピルビン酸キナーゼ遺伝子の発現上昇、エタノール脱水素酵素遺伝子の発現低下が、いずれもクエン酸の合成に影響を与える可能性も示唆された。

 酸味の多い品種では、発育後期にリンゴ酸合成経路にある律速酵素コード遺伝子の発現が著しく上昇し、リンゴ酸トランスポーター遺伝子の活性化に伴い、リンゴ酸の大量含有が促され、最終的に果実の酸性化を招くことが明らかになった。これらの遺伝子の発現は、酸味の少ない品種では負の調節遺伝子によって抑制され、リンゴ酸の含有量低下をもたらした。

 研究成果はこのほど、国際学術誌「Food Chemistry」の電子版に掲載された。(c)Xinhua News/AFPBB News