【8月10日 AFP】レバノンで9日、首都ベイルートの港で起きた大爆発を受け、閣僚2人が相次いで辞任を表明した。首都の広範囲を破壊し150人以上が死亡した爆発をめぐっては、「支配階級」に責任があるとして国民の間に怒りが広がっている。

 ドゥミヤヌス・カッタール(Damianos Kattar)環境相兼行政改革相は、声明で「この大惨事を考慮し、政府に辞表を提出することを決めた」と発表。「複数の機会を台無しにした不毛な政権」に失望したと述べた。

 これに先立ち、マナール・アブデルサムド(Manal Abdel Samad)情報相も地元メディアを通じて辞任を発表。「ベイルートでの大惨事を受け、政府を辞任する」と述べ、レバノン国民の期待を裏切ったとして謝罪した。

 今回の爆発は、国家の中枢が腐敗していることの衝撃的な証拠だと広く受け止められている。ベイルートでは8日、デモ隊が警察と衝突し、複数の省庁を襲撃して一時占拠した。9日も、数百人がベイルートの殉教者広場に集結し、デモの続行を誓っている。

 キリスト教マロン派のビシャラ・ライ(Beshara Rai)総大司教は、爆発について「人道に対する罪と言える」と非難。多くの市民に同調し、ハッサン・ディアブ(Hassan Diab)首相の内閣総辞職を求めた。(c)AFP