【8月4日 AFP】(更新)中米ドミニカ共和国当局は4日、亡命の意向を発表したスペインの前国王フアン・カルロス1世(Juan Carlos I、82)がドミニカ共和国に渡ったとの報道を否定した。

 複数のスペインメディアは、前国王がドミニカ共和国へ既に渡航しており、同国の友人宅に滞在する予定だと報道していた。これに対し、ドミニカ共和国入国管理局の報道官は、前国王が入国した事実はないと否定。前国王が最後に同国に滞在したのは今年2月28日~3月2日だったとした。

 ドミニカ共和国外務省はAFPの取材に対し、前国王が同国に滞在する予定だとの「情報はない」と説明。一方、同国のテレビ局カナル・デ・ノティシアス(Canal de Noticias)は、前国王が同国訪問の「準備」をしていると報じている。

 前国王は3日、自身の息子で現国王のフェリペ6世(King Felipe VI)が「責務を全う」するのを助けるためにスペインを離れる決断を下したと明かしていたが、その時期や渡航先への言及はなかった。

 前国王をめぐっては、スイスの銀行口座にサウジアラビアから約1億ドル(106億円)が秘密裏に振り込まれたとの疑惑が持ち上がっていた。だが前国王の弁護士は3日に発表したコメントで、前国王は亡命して司法の裁きを逃れようとしているのではなく、検察当局の取り調べには応じ続けると説明している。(c)AFP