【8月3日 Xinhua News】中国の陝西省(Shaanxi)考古研究院はこのほど、3年余りにわたる保護・修復作業を経て、2800年前の西周時代末期の馬車の保護・復元が完了したと明らかにした。車輪は青銅製で、車体の長さは3メートルを超えるという。

 復元された馬車は、2014年に同省宝鶏市(Baoji)岐山県(Qishan)の周原遺跡で、黄土の中から数千の破片に砕かれた状態で見つかった。馬車の先頭部分には馬4頭の骨もあった。車体は長さ3・13メートル、幅2・7メートル、高さ1・5メートル。

 同研究院の王占奎(Wang Zhankui)研究員によると、文化財保護職員が17年に破片の整理や保護、復元作業を開始。作業を進めるうちに、馬車は車体と4頭の馬から成ることが分かった。車体の装飾は豪華で、トルコ石を大量にはめ込んだ青銅製部品や薄肉の青銅製獣面装飾、玉細工、彩色上絵を施した部品が使われていた。車輪の外縁部は全て青銅で鋳造しており、現時点でこれほど保存状態が完全な青銅製車輪の馬車は見つかっていないという。

 DNAを解析した結果、4頭の馬はいずれも雄の黒馬だったことが判明した。王氏は、馬車があまり使われておらず装飾性も高いことから、戦闘用ではなく当時の上流貴族の儀仗(ぎじょう)用だったと考えられると語った。この馬車の保護・復元は、西周末期の儀礼や車制を理解する上で重要な意味を持つとしている。(c)Xinhua News/AFPBB News