【7月30日 AFP】(更新)香港で9月に予定されている立法会(議会)選挙で、民主活動家ら12人の立候補が、30日に取り消された。候補らはこの動きを、中国政府を批判する活動家らに対するこれまでで最も深刻な攻撃だと訴えている。

 この12人の中には、香港で最も有名な活動家の一人である黄之鋒(ジョシュア・ウォン、Joshua Wong)氏も含まれている。今回失格となった候補者の多くは、立候補取り消しを伝える通知の画像をソーシャルメディアに投稿した。

 黄氏はツイッター(Twitter)に、「若き進歩派政党から伝統的な穏健派政党まで、ほぼ全ての民主派立候補者」の出馬が当局により取り消されたとして、この動きは同市の民主派運動に対する「過去最大の弾圧」だと投稿した。

 中国政府の出先機関である香港連絡弁公室は同日、立候補が取り消された候補らの政治観は「法律上の許容限度を超えた」として、香港当局の判断をたたえた。

 その上で、「『一国二制度』と香港の繁栄を破壊しようとする不道徳な無法者らが議員になることを…立法会が一体どうして許せるだろうか」との見方を示した。

 香港は中国政府に指名された親中派の政治家らによって統治されている。9月上旬に選挙が予定されている立法会は親中派に有利になっており、定数70のうち直接選挙で選出されるのは、半分の35議席だけ。

 残りの半分は職能代表枠で、親中派の候補者に投票することが確実な各業界団体や特別利益団体によって選出される。

 民主派政党は今回の選挙で、昨年の大規模な民主派抗議デモ以来高まっている反中感情を追い風にしたい考え。もし直接選挙枠の35議席全てを民主派候補が獲得すれば、民主派が史上初めて多数派になり、法案の否決が可能になる。(c)AFP