【7月28日 AFP】ロシア反ドーピング検査所の元所長で、同国のドーピングを告発したことで知られるグリゴリー・ロドチェンコフ(Grigory Rodchenkov)氏は、来年に延期された東京五輪にロシアの選手を一人も参加させるべきではないと主張している。

【図解】ロシアのドーピング問題、これまでの経緯

 世界反ドーピング機関(WADA)は昨年12月、ロシアがドーピングに関するデータを改ざんしたとして、東京五輪やサッカーW杯カタール大会(2022 World Cup)を含め、4年間にわたる国際スポーツ大会への出場禁止処分を下した。

 一部のロシア選手は、WADAが確信している同国の組織的なドーピングシステムに無関係であると示すことができれば、中立の立場で来年の東京五輪に出場できる。しかし、ロドチェンコフ氏は英BBCとのインタビューで、ロシアへの全面的な資格停止処分を訴えた。

「アスリートの説明や告白に関係なく、ロシア選手全員を完全に除外すべきだ」「すべての書類を偽造していたのは、(2014年冬季五輪の)ソチ(Sochi)で検体を密輸してすり替えていたのと同じ人物だ」

「これらのデータは日々改ざんが進められ、言葉では表せないレベルのすさまじい不正行為だ。それは、あの国が何も学んでいないことを示している」

 一方、これまで疑惑を繰り返し否定しているロシアは、4年間の禁止処分は政治的な動機によるものだとして、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に異議申し立てを行っており、審理は11月に開かれることになっている。(c)AFP