【7月24日 AFP】アジア最大の野生動物製品の消費国の一つであるベトナムで、野生動物の輸入が全面的に禁止された。政府はさらに、各地に存在する違法市場の根絶を目指すと宣言している。

 隣国中国における新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の起源は、野生動物との見方もある。これにより、野生動物の売買が国際的なスキャンダルに発展したのを受け、ベトナム首相がこの禁止令に署名した。

 これまで、国内で売買される、または国外から持ち込まれる絶滅危惧種の取引をベトナム当局が黙認していると批判してきた活動家らにとっては、大きな勝利となった。

 23日に政府のウェブサイトで発表されたこの命令には、生死を問わずあらゆる野生動物とその卵、体の部位および野生動物由来製品の「輸入停止を、首相が命じる」と記されている。

 さらに、「全国民、特に公務員らは、不法に捕らえられた野生動物の「違法な密猟、売買、輸送に関わってはならない」との規定がある他、哺乳類、鳥類、爬虫(はちゅう)類の密猟や密輸、保管、宣伝などの取り締まりを行うと警告し、「野生動物を不法に売買する市場と取引所を根絶する」と明言されている。

 同国への密輸量が最も多い動物は、伝統薬に使われるトラの部位やサイの角、センザンコウなど。

 違法な野生動物製品の世界最大の市場となっている中国でも、類似の禁止令が施行されている。ベトナムはさらに、オンライン販売も対象とし、売買を無期限で禁止している。(c)AFP