【7月17日 Xinhua News】中国の長江流域では、1カ月余りにわたり大雨警報の発令が続いており、10日には長江水利委員会水文局が江西省(Jiangxi)上饒市(Shangrao)鄱陽県(Poyang)の鄱陽湖(Poyang Lake、ハ陽湖)エリアと周辺水域の警報レベルを赤色に引き上げた。

 同県では複数の堤防や土手で決壊の危険が生じたことから、13日までに鄱陽湖エリアに185カ所ある水位調節用の堤防の水門を開き排水を実施。これにより湖の水位が25~30センチ低下すると見込まれる。

 SAR衛星は地上にマイクロ波を照射し、反射して戻ってきた信号をもとに対象物を観測する。雨雲を透過できるだけでなく、一定の地表透過力を持つことから、地震による地形の変化や氷河の移動、活動構造、地盤沈下、地滑りなどの観測に使われている。

 13~16日には雨雲が再び長江中下流域に南下したが、国家減災委員会秘書長で応急管理部副部長の鄭国光(Zheng Guoguang)氏は、1998年の水害と単純に比較することはできないと説明する。98年の水害では一度北上し再度南下した雨雲が長江中下流域に8月下旬まで居座ったため、長江の堤防が長期にわたり浸水し、洪水対策が難航したが、現在の気象状況を見る限り、前回のように集中降雨が2カ月に及ぶ可能性は低いと強調した。(c)Xinhua News/AFPBB News