【7月17日 AFP】シンガポール動物園(Singapore Zoo)で双子のアカエリマキキツネザルが誕生したと、同園の職員が16日、明らかにした。2匹が同時に生まれるのは珍しく、絶滅の危機にひんする同種にとっては心強い出来事となった。

 アカエリマキキツネザルは1年に1度しか繁殖を行わないため、今回の2匹の誕生は「とても貴重」だという。双子の名前はまだ決まっていない。

 同園を運営するワイルドライフ・リザーブ・シンガポール(Wildlife Reserves Singapore)によると、マダガスカルに分布するアカエリマキキツネザルが同園で誕生したのは、双子の父親ボスコ(Bosco)以来、11年ぶり。8歳になる母親のミニー(Minnie)は、2016年に日本の動物園からシンガポールにやって来た。

 双子のアカエリマキキツネザルの誕生自体は少し前だが、新型コロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)の影響で同園が数か月にわたり閉園していたため、一般公開は最近になって始まった。

 森林伐採と狩猟の影響を受けるアカエリマキキツネザルは、国際自然保護連合(IUCN)によって「野生絶滅」(EW)の一つ前の段階である「深刻な危機」(CR)に分類されている。

 IUCNは、マダガスカルにいまも生息する107種のキツネザルのうち103種は絶滅の恐れのある状態としており、その103種の中の33種をCRに分類している。(c)AFP