【7月14日 AFP】米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のワシントン・レッドスキンズ(Washington Redskins)は13日、スポンサーからの圧力を受けて、米先住民への差別的な言葉として大きく批判されてきたチーム名を変更すると発表した。

 5月25日に米ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis)で非武装の黒人男性ジョージ・フロイド(George Floyd)さんが警察の拘束下で死亡し、反人種差別を求める抗議デモの波が全米中に広がっていることを受け、同チームは3日にレッドスキンズの名称を見直すと明らかにしていた。

 チームはコメント文で、「見直しを終えた結果、本日われわれはレッドスキンズの名称とロゴを終了するとお知らせする」と発表。新たな名称については、現時点で検討中であるという。

 オーナーのダン・スナイダー(Dan Snyder)氏はかなり以前からチーム名の変更には否定的だったものの、フロイドさんの事件をきっかけに組織的な人種差別への抗議行動が続く中で、その立場を考え直すことを求める声が高まる状況に直面していた。

 NFLでは数少ない少数民族の指揮官で、陸軍士官の父親を持つレッドスキンズのロン・リベラ(Ron Rivera)ヘッドコーチ(HC)も先日、新しいチーム名は米先住民の文化に敬意を表しつつ、米軍に連帯するものであるべきとコメントした。

 前週には米先住民の指導者が、NFLのロジャー・グッデル(Roger Goodell)コミッショナーに対して、レッドスキンズの名称、ロゴ、そしてマスコットを即座に変更するように要求する書簡を送っていた。

 レッドスキンズが今回の動きに出たのは、チームに最も影響力のあるスポンサーの米運輸大手フェデックス(FedEx)から強力な圧力があったためとみられている。2025年まで総額2億500万ドル(約219億5000万円)でスタジアムのネーミングライツ(命名権)の契約を結んでいる同社は、今月上旬にチーム名を変更するように求めたことを明らかにしていた。

 一方、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は前週、レッドスキンズがチーム名の変更を検討する方針を示した際に批判的な立場を示し、「チーム名は弱さでなく強さが由来であるのに、レッドスキンズと(米大リーグ<MLB>の)クリーブランド・インディアンス(Cleveland Indians)の名門スポーツチームは、公正であることを求めてその名を変えようとしているらしい」とツイートしていた。(c)AFP