【7月10日 People’s Daily】新型コロナウイルス感染症のまん延でオフライン消費が影響を受けたが、オンライン消費がその落ち込みを急速に埋めている。中国国家統計局のデータによれば、1~5月の実物商品のオンライン小売額は前年同期比11.5%増となり、社会消費品小売総額に占める割合は24.3%になった。国家郵政局のデータによると、5月の宅配業務量は前年同月比41%増、業務収入は25%増だった。インターネットでのライブ配信やオンラインの団体購入など新業態の登場でオンライン消費が活発になった。消費拡大に対する実物商品のオンライン小売りの貢献率は引き続き上昇しており、消費者が受ける恩恵もますます大きくなっている。

 11.5%という実物商品のオンライン小売額の増加率はどのように理解すべきだろうか。この増加率は消費のレベルアップの底固さを物語っている。

「自宅でもいろいろなおいしいものを食べられます」と語るのは安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)に住む張菊(Zhang Ju)さん。張さんはもともと、子どもを連れて広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)南寧市(Nanning)の親族を訪問し、ついでに特産物の沃柑(Wogan、オレンジの1種)を食べようと考えていた。ところがコロナ禍で行けなくなった。そこで張さんは電子商取引のサイトで沃柑を探してみた。「ありました。すぐに発注したら、翌日に届きました。おいしいし、値段も適正でした」と張さん。

 現在、人々の消費レベルは向上しており、多様化、個性化の傾向も強まっている。今年に入り、コロナ禍の影響を受けたとはいえ、消費のレベルアップの傾向は続いている。

「これは南康の木材家具です。品質はすばらしいです」と語るのは江西省(Jiangxi)贛州市(Ganzhou)南康区の何善錦(He Shanjin)区長。オンライン通販の拼多多(Pinduoduo)のイベント会場でライブ配信により南康の家具のよさを消費者に紹介していた。

 何区長が参加したこのイベントは48時間におよび、723万人の消費者が視聴した。南康家具の売り上げは5000万元(約7億7000万円)を超えた。商務省のデータによれば、今年第1四半期、電子商取引のライブ配信は400万回を上回り、100人以上の市長や県長がライブ配信で地元の産品を宣伝した。(c)People's Daily/AFPBB News