【7月10日 AFP】自転車ロードレーサーのクリス・フルーム(Chris Froome、英国)が、今季限りでチームイネオス(Team Ineos)との約10年間の関係に終止符を打ち、新規参入チームのイスラエル・スタートアップネーション(Israel Start-Up Nation)に加入することになった。

 英国人ライダーとして最も輝かしい成績を誇るフルームは、イネオスの前身であるチームスカイ(Team Sky)時代に、2013年からの5年間で通算4度のツール・ド・フランス(Tour de France)総合優勝を成し遂げた。

 昨年にイネオスとして生まれ変わったチームの代表を務めるデイブ・ブレイルスフォード(Dave Brailsford)氏は、三大ツール(グランツール)で通算7度のタイトル獲得を果たしているフルームを「偉大な王者」と称賛する一方で、互いに別の道を進む時期が来たと語った。

 同氏はまた、35歳のフルームが単独のエースであることを強く望んでいたものの、同等の実力を持つゲラント・トーマス(Geraint Thomas、英国)やエガン・ベルナル(Egan Bernal、コロンビア)がいることから、チームとしてその座を確約することはできなかったとも明かし、「クリスとの現行契約は12月限りで終了し、新たに契約は結ばないと決断した」と述べた。

 ケニア生まれのフルームは、「このチームとは素晴らしい10年間を過ごしてきた。一緒にたくさんのことを成し遂げてきて、その記憶はこれからもずっと大切にしていく」「次のキャリアに突入して、新たな挑戦をすることにわくわくしている。しかし、それと同時にチームイネオスで通算5度目のツール・ド・フランス制覇を果たすことに集中している」と語った。

 フルームが加入するイスラエル・スタートアップネーションは、イスラエルのチームではツール初参戦になる。イスラエル系カナダ人実業家のシルヴァン・アダムス(Sylvan Adams)氏が資金面で支える同チームは今年、スイスを本拠地とするカチューシャ・アルペシン(Team Katusha Alpecin)からワールドツアーのライセンスを受け継いだ。

 アダムス氏は、「クリスは当世代最高のライダーであり、ツール・ド・フランスやグランツールでわれわれをけん引してくれるだろう」「クリスはツール・ド・フランスとグランツールでの勝利、そして史上最高のサイクリストとして認められるのに重要な要素となる偉業を追い求めており、われわれも一緒に歴史をつくっていけることを願っている」と期待を寄せた。(c)AFP/ John WEAVER